
研究所コンセプト
管路に特化した防災研究所
ライフラインに欠かすことのできない管路システムの防災技術に特化した国内初の研究所として設立。 地震をはじめとするの災害や、気候変動による過酷環境など、マルチハザードに対する管路系の防災エンジニアリングに取組んでいます。
交流と共創
ライフラインの防災技術はシステムを構成する様々な要素の組合せによって成立ちます。当研究所はオープンドアを標榜し、大学や研究機関、メーカ、コンサルなど様々な立場の研究者や技術者が自由に集う交流と共創の場を目指しています。多角的な視点で生まれる研究アイデアは新たな防災エンジニアリングの創出につながります。
人材育成
当研究所の研究員育成カリキュラムとして、ライフライン地震工学の専門家で京都大学大学院教授を務めた小池武シニアフェローによる技術指導を定期的に受講し管路防災技術の議論を深めています。 また外部から受講者をお迎えするオープンセミナーの開催や、国内外様々な学会発表を通じて防災技術の発信にも尽力しています。
360°好きな方向に動かしながら、実際に管路防災研究所の施設内にいるような感覚で見学できます。
研究シーズ
水管橋の地震応答・地盤変状対策
河川を横過する水管橋は地上管路として地震時に地震応答変位が作用します。また橋台や橋脚周辺の地盤変状が生じると管路の移動に伴い大きな変位が作用します。これらの管路変位対策について研究しています。
地下構造物周辺管路の耐震設計法
杭支持された地下構造物と埋設管路との接続部には不同沈下による管軸直角方向変位が作用します。そして地震時には管路が偏心した状態で管軸方向へ大きく伸縮します。この時管路がどの程度の耐震安全性を実現できるのかについて研究しています。
ベローズの限界性能
ベローズの現行設計法は日常的に繰り返される小さな変位を対象とした疲労設計法です。しかし災害発生時には極めて大きな変位が生じることとなります。様々な被災シナリオにおけるベローズの限界性能について研究しています。

Key Words
地震対策 不同沈下対策 断層変位対策 液状化対策 耐震設計 危機耐性 性能設計 動的解析法 性能規定型 構造解析 水道施設耐震工法指針 耐震管 耐震管率 耐震適合率 耐震適合性のある管 基幹管路の耐震適合率 浄水施設の耐震化率 配水池の耐震化率 国土強靭化 防災・減災 地震動レベル2 河川法第26条 消防法危険物20号タンクライフライン防災 耐震補強 耐震性能 軟弱地盤 老朽管更新 老朽管耐震化 MCジョイント ベローズ型 伸縮可撓管 伸縮可とう管 断水回避 通水確保
実験設備
大変位耐震試験機
管体に軸方向伸縮(X軸)および軸直角方向偏心(Y軸)を同時に載荷可能な実験設備で、X軸Y軸ともに変位量と速度を可変制御することができます。試験体固定用アタッチメントを換装することで伸縮管や管体に限らず様々な供試体に強制変位を与える実験が可能です。
【最大能力】 ・試験体 直径φ2700㎜×長さ6300㎜
・変位量 軸方向(X)1200mm / 軸直角方向(Y)600mm
・載荷力 軸方向(X)4000kN / 軸直角方向(Y)2000kN

研究成果
極短面間型防災継手 MCジョイント
管路の防災技術研究で得られた知見に基づき、短い継手長さで大変位を吸収可能な新型防災継手「MCジョイント」を開発しました。 本製品は第40回素形材産業技術賞の最高位「経済産業大臣賞」をはじめ様々な賞を受賞しております。

学会発表実績
2022年10月 |
第42回土木学会地震工学研究発表会 |
性能設計化を目標とする水管橋設置伸縮可撓継手の耐震設計法 性能設計化を目標とする地下構造物周辺伸縮可撓継手の耐震設計法 |
令和4年度日本水道協会全国会議(水道研究発表会) |
ベローズ型伸縮可撓継手に関する性能限界の検討-耐震性能照査用の修復限界および終局限界- | |
2023年10月 | 令和5年度日本水道協会全国会議(水道研究発表会) | 不同沈下量に応じた伸縮可撓継手の選定方法 |
2023年11月 | 第16回日本地震工学シンポジウム(16JEES) |
不同沈下状況下での伸縮可撓継手の耐震性能 水管橋伸縮可撓継手のレベル2地震動に対する損傷度評価 |
2024年1月 | 第14 回インフラ・ライフライン減災対策シンポジウム |
不同沈下状況下でのベローズ型伸縮可撓継手の変形挙動 水道管路継手の性能評価のための ベローズ型伸縮可撓継手の限界変位実験 地盤震動に対する単径間独立水管橋上伸縮可撓継手の相対変位について |
2024年7月 | 18th World Conference on Earthquake Engineering (WCEE2024MILAN) |
DETERIORATION OF SEISMIC PERFORMANCE OF BELLOWS-TYPE EXPANSION JOINTS DUE TO DIFFERENTIAL SETTLEMENT CRITICAL DISPLACEMENTS OF BELLOWS-TYPE EXPANSION JOINTS FOR SEISMIC DESIGN OF WATER-SUPPLY PIPELINE |
2024年9月 | 第44回土木学会地震工学研究発表会 |
令和6年能登半島地震における水管橋脱管事例と伸縮可撓継手の変位載荷実験 単径間独立型水管橋の地震時橋台間相対変位について |
2024年10月 | 令和6年度日本水道協会全国会議(水道研究発表会) | 令和6年能登半島地震における水管橋被害調査とベローズによる地震対策提案 |
共同研究・実験委託
研究所概要
けいはんなサウスラボ『管路防災研究所』
[英語名 : NEURON Pipeline Resilience Laboratory]
所在地:京都府相楽郡精華町光台二丁目 2番 5
代表者:岩本泰一
シニアフェロー:小池 武


